広島市現代美術館は小高い丘の上にあり、緑のとても豊かなところです。そんななかで11月10日、アナコンダ先生(=椿昇氏)の講演会が開かれました。内容は、現在博多で制作が続いている公団住宅のオブジェのこと、アナコンダ先生の今までの活動、それから広島現代美術館に収蔵された作品についてと続き、その話術に参加者一同すっかり引き込まれてしまいました。はじめは少なかった聴講者もいつの間にか会場が満杯になるほど増え、その聴衆を相手に冗談を交えつつ非常に丁寧に作品について語られるアナコンダ先生には、あらためてさすがと感じさせられました。思えば、作家の方から作品を前に直にお話しを伺ったのははじめての体験で、私達を含めこの席に居合わせた聴講者の方々には貴重な体験だったと思います。同時に、この機会を設けて下さった広島市現代美術館の方には大変感謝しています。博多の巨大すすきと夜な夜な怪しく光るオブジェは、是非現地に行って拝んでみたいですね。
そして、ずうずうしくもサイ姫先生にくっついて特別展を観せていただいたあと、サイ姫先生、アナコンダ先生、そしてアライグマ女史の教育プログラムについての交渉が始まりました。MoMAのプログラムやゲティ、CD-ROMの有用性などお二人の熱意のこもった弁舌もさる事ながら、受け答えるアライグマ女史の回転の速さと飲み込みの速さは素晴しいもので、話は教育プログラムからTKE、TKEのMLと着々と進み、タニシ船長の雄姿やML上でよくされる食べ物の話題にまで発展したのでした。
そして話も一通りすんだ後、美術館のみなさんとお食事ということになり、これまたずうずうしくもかるがも隊まで同席させていただだきました。広島市内の居酒屋さんに連れて行っていただいたのですが、海の幸はとても美味しく、またそこの席でも現在の美術館が抱える問題などに話が及び、私などはとても勉強になりました。
そうこうするうちに夜も更け、タニシ船長との打ち合わせのためサイ姫先生が一足先に退席され、続いてかるがも隊も失礼することになりました。その際アライグマ女史にはわざわざ大通りまで見送っていただき、色々とお世話になりました。この日一日を通して、アライグマ女史のてきぱきとした的確な所作には見習うべきものが沢山ありました。
そしてタクシーで駅へと向かい、汽車の時間がせまる中、それでももみじ饅頭はしっかりと買い込み、あわただしく帰路についたのでした。
(つづく)